
黒潮が打つ離島・伊豆大島で清らかな海水をくみあげて、太陽と風と火の力を使った日本伝統の塩田製塩法で、まず「海の精 あらしお」を作ります。これを伝統の塩壺焼成法で、さらさらと振りやすくしたのが「海の精 やきしお」です。
ネット架流下式塩田に海水をくりかえし流して、太陽や風の自然エネルギーを利用して水分を蒸発させ、海水を濃縮します。
濃縮した海水を蒸気式の平釜に入れ、ゆるやかな火の力で丹念に煮つめ、無機塩類の結晶を複合的に析出させます。
煮あがったら、成分と結晶の形状をととのえてから、苦汁(未結晶のニガリ液)を分離します。
※ここまでは、「海の精 あらしお」の製法と同じです。
「あらしお」を塩焼き壺に入れて、600℃以上の高温で焼成します。ブロック状の固まりを粉砕器にかけ、使いやすい粒子の大きさにととのえます。
湿度調整された室内で、できあがった塩を入念に検品しながら、衛生的に包装します。
ニガリ成分が多い伝統海塩はしっとりしていて、さらさらの焼塩にするのは至難の業。「海の精 やきしお」は、伊勢神宮・御塩殿神社に伝わる古式製法を参考に、高温で焼き切っているので、まず湿気ることはありません。
焼塩は、食卓塩を必要とする食文化が新しく芽生えた中世ころから、広く製造されるようになりました。近世には、専用の塩焼き壺でつくられ、京都・大阪をはじめとする関西地方で製造されて、各地にもたらされました。塩焼き壺のまま食膳にそえられたそうです。
●さらさらしているのに、栄養成分は同じ!
600℃以上の高温で焼き上げていますので、湿気の原因となっているニガリ成分(塩化マグネシウム)は分解しています。けれども、栄養元素であるマグネシウムの量は変わりありません。
・ナトリウム
…… 37 g
・マグネシウム
…… 760 mg
・カルシウム
…… 430 mg
・カリウム
…… 260 mg
・ヨウ素
…… 0.0185 mg
・鉄
…… 0.0046 mg
・銅
…… 0.003 mg
・マンガン
…… 0.0022 mg
・クロム
…… 0.0022 mg
・亜鉛
…… 0.0011 mg
※栄養成分は「あらしお」と変わりありませんが、水分が乾燥しているので、その分だけ値が大きくなっています。
●「あらしお」より軽く、あっさりした美味しさ!
600℃以上の高温で焼き上げていますので、旨さのある苦味の成分(塩化マグネシウム)が分解しています。そのため「あらしお」より苦味が減り、マイルドであっさりした味わいになっています。
【“さらさらと使いやすい「海の精」がほしい”という声に応えて】
1999年「海の精 やきしお」が発売になりました。「海の精 あらしお」が完成して、15年あまりたってからのことです。
その間、「あらしお」をお使いいただいている多くのお客さまから、“さらさらと使いやすい「海の精」がほしい”という声をいただいてきましたが、「海の精 やきしお」の完成までには、それだけの時間が必要でした。
【「海の精」を“さらさらにする”のは困難だった】
伝統海塩「海の精」は、海水100%を原料に、天日と平釜で塩の結晶をつくる伝統製法でつくられています。海水由来のニガリ成分(各種の無機塩類)を含み、ただ塩辛いだけでなく、甘さ、旨さ、コクがあります。
ニガリの主成分は塩化マグネシウムですが、これには潮解性といって、空気中の水分を吸って溶ける性質があります。そのため塩化マグネシウムを含んだ伝統海塩は、しっとりとしていて、炒って乾かしても、時間がたつと湿気てきます。
精製せず、栄養成分であるマグネシウムを含みながら、さらさらの塩をつくる。これはとても難しいことでした。身近に前例もなく、試行錯誤の連続でした。塩専売制が施行された明治以降、焼塩の資料はほとんどなく、焼塩の製造工程を知ることは容易ではありません。
それが、伊勢神宮の御塩殿(みしおどの)神社を見学して大きな手がかりを得て、焼塩づくりが前進しました。
【焼成温度600℃以上、焼物に入れて焼く】
“さらさらと湿気ない焼塩”の完成をめざして、科学的な知識を学びながら、試作を繰り返し、伝統焼塩をつくることができました。
そのポイントは2つ。塩化マグネシウムの潮解性を失わせて、さらさら感を保つには、焼成温度を600℃以上に設定すること、そして焼物の器に入れて焼くこと。
伊勢神宮の御塩殿神社では、三角すいの素焼きの土器に粗塩(あらしお)を入れて一昼夜焼くそうですが、その焼成には熟練を要すると言います。
この方法でニガリを含んだ塩の結晶を焼成すると、塩化マグネシウムが分解され、マグネシウムを含んでいるのに、再び湿気にくい伝統焼塩ができました。
【“焼く”と“炒る”の違い】
家庭で伝統海塩を土鍋で“炒る”と、しばらくはさらさらと使いやすくても、時間がたつとまた湿気てきます。これはニガリが乾燥しているだけで、潮解性のある塩化マグネシウムが変化していないから。
湿気ないようにするには、“焼く”必要があるのです。それが高温焼成で、「海の精 やきしお」の場合には、600℃以上で焼成しています。かといって温度が高ければよいというわけではなく、あまり焼きすぎると、湿気ない代わりに、ニガリの旨味がなくなってしまいます。
味もニガリの量も、焼成温度と焼成時間によって微妙に変化しますので、長年の経験と焼成窯(かま)の制御技術によって、ちょうどよいあんばいにコントロールしているのです。
名称 | 海の精 やきしお(スタンドパック) |
内容量 | 110g |
JAN/ISBNコード | 4931915001430 |
開封前賞味期限 | 長期保存可 |
原材料名 | 海水(伊豆大島) |
栄養成分 | 100g当たり/エネルギー 0kcal/タンパク質 0g/脂質 0g/炭水化物 0g/食塩相当量 93.98g 【その他の栄養成分】 カルシウム430mg、マグネシウム760mg、カリウム260mg |
アレルギー情報 | なし |
販売者 | 海の精株式会社 |
サイズ | 高さ 118 (mm) ×幅 90 (mm) ×奥行き 45 (mm) |
送料 | 無料 |