遠く小鳥の声が聞こえてくるような、小高い丘に、オレンジタルトはひとり、置き去りにされてしまいました。
途方に暮れていた面々の内、口火を切ったのは、真ん中のオレンジでした。
ぼくがみんなをおんぶするから、川のある村まで逃げようーその提案に、熱射に弱いバニラクリームが、最初に反旗を翻しました。
タルト生地の冷たい塀と、つんと気取ったミントの葉が、みんなの煮えくりかえった腸を軽妙に冷やしました。